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夏は太陽光発電所にとって発電量が増加する重要な季節ですが、同時に高温・強風・豪雨といったリスクが増大する時期でもあります。安定的に発電を維持するためには、パネルやパワコンだけでなく、発電設備を支える「太陽光架台」の点検・保守が欠かせません。
1. 高温環境による金属疲労・膨張
架台は主にアルミ合金、亜鉛メッキ鋼材、アルミ亜鉛マグネシウム合金などが使用されています。これらの金属は温度変化に伴い膨張・収縮を繰り返すため、真夏の日射による高温下ではボルトやナットの緩みが発生する可能性があります。
対策:
①夏季前後にトルクレンチを用いた増し締め点検を実施
②長尺部材の接続部・スライド部のゆるみ確認
③締結部には耐候性の高いワッシャーを使用
2. 紫外線・塩害・降雨による腐食リスク
特に海岸近くの発電所では、夏の高温多湿環境と塩分の影響により腐食が加速します。架台表面のコーティング剥がれや亜鉛メッキ層の損傷は、錆の発生原因となります。
対策:
①架台表面の塗装・メッキ状態を目視点検
②白錆・赤錆の早期発見と補修塗装
③雨水の滞留を防ぐため、排水設計部位の確認
3. 台風・豪雨対策
日本の夏季は台風シーズンでもあり、架台の耐風性が発電所の安定性を左右します。基礎杭(スクリュー杭やコンクリート基礎)の保持力確認が特に重要です。
対策:
①スクリュー杭の引抜抵抗試験や沈下点検
②斜面設置の場合、土壌の流出や地盤の緩みを重点確認
③架台全体の傾き・変形を測定し、必要に応じて補強
4. 草木の繁茂と通風確保
夏季は雑草の繁茂が早く、架台下部や周囲の通風を妨げるとパネルの温度上昇につながり、発電効率が低下します。
対策:
①架台周囲の定期的な除草
③草刈り機使用時は飛石によるパネル損傷に注意
③雑草抑制シートや防草材の導入も検討
5. 定期点検の推奨サイクル
夏季は気象条件が厳しいため、通常年1回の点検に加え、梅雨明け直後と台風シーズン前の2回点検を推奨します。特に架台は設備寿命(25年以上)を左右する要素であるため、定期的な検査・補修が長期安定運用に直結します。
まとめ
夏季は発電量のピークシーズンである一方、設備のリスクも最大化する時期です。架台の締結部確認、腐食チェック、基礎の安定性評価を徹底することで、事故や発電損失を未然に防ぐことができます。
発電所の基盤を支える架台の健全性は、システム全体の信頼性に直結します。定期的な点検・保守を通じて、夏を安全かつ効率的に乗り切りましょう。